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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻9号

2007年08月発行

文献概要

症例報告

塩化ベンザルコニウムによる接触皮膚炎を生じた放射線皮膚潰瘍の1例

著者: 宇宿一成1

所属機関: 1宇宿ひふ科クリニック

ページ範囲:P.680 - P.682

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要約 82歳,男性.肺癌に対して60Gyの放射線照射を受けた.照射部位である胸部に皮膚潰瘍を生じ,当科に紹介された.肉芽形成を目的に,水道水洗浄後フィブラスト®スプレーで治療したところ,痛みを伴う潰瘍周囲の紅斑を生じた.フィブラスト®スプレーによる接触皮膚炎を疑い,貼布試験を行ったところ,塩化ベンザルコニウムが強陽性を示し,本剤による接触皮膚炎を生じたものと考えた.フィブラスト®スプレーの使用を中止し,プロスタンディン®軟膏を用いて治療し,約半年後に潰瘍は上皮化した.難治性皮膚潰瘍の治療中には,使用した薬剤による接触皮膚炎に注意する必要がある.

参考文献

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2) Malkinson FD: Arch Dermatol132: 663, 1996
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4) 橋本 悟, 他:臨皮57: 939, 2003
5) 岡田修子, 他:西日皮膚68: 248, 2006
6) Henta T, et al: Environ Dermatol5: 118, 1998
7) 宇宿一成, 他:西日皮膚63: 240, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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