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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻9号

2007年08月発行

文献概要

症例報告

肺病変の急性増悪を伴ったLöfgren症候群の1例

著者: 小坂素子1 青木見佳子2 川名誠司1 手塚信吾3 高橋直人3 山口朋禎3 宗像一雄3

所属機関: 1日本医科大学付属病院皮膚科 2日本医科大学武蔵小杉病院皮膚科 3日本医科大学武蔵小杉病院内科

ページ範囲:P.693 - P.696

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要約 28歳,女性.下腿に結節性紅斑,膝関節と足関節の疼痛と腫脹,38℃台の発熱が2週間持続した.両側肺門リンパ節腫脹(BHL),ツベルクリン反応陰性,血清リゾチーム上昇,Gaシンチ,気管支肺胞洗浄所見より,サルコイドーシスの診断基準を満たした.さらに関節炎,結節性紅斑,BHLの所見よりLöfgren症候群と診断した.2か月後に咳,息切れを訴え,BHLと肺野病変の著明な増悪を認め,3か月後には眼病変も指摘されたため,プレドニゾロン(PSL)の投与を開始した.PSL投与後は自覚症状,検査所見ともに軽快し,経過は良好である.Löfgren症候群は欧米ではよくみられる病型であるが,本邦での報告は自験例を含めて9例と稀である.欧米では予後が良好で自然軽快することが多いため,ステロイドを投与することは少ないが,自験例は急速に肺病変が増悪し,眼病変も出現したため,ステロイド導入となった.

参考文献

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12) Antonovich DD, Callen JP: Arch Dermatol141: 869, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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