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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻9号

2007年08月発行

症例報告

SLEの経過中に抗トポイソメラーゼ-Ⅰ抗体陽性の強皮症を発症したオーバーラップ症候群の1例

著者: 冨田郁代1 森田礼時1 白崎文朗1 長谷川稔1 佐藤伸一1 竹原和彦1

所属機関: 1金沢大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.697 - P.699

文献概要

要約 32歳,女性.3年前にSLEと診断され,プレドニゾロン(PSL)30mg内服を開始した.以後,漸減されPSL15mgとなっていたが,1か月前から手指の浮腫性硬化が出現し,急速に進行,同時にDLE(慢性円板状エリテマトーデス)様皮疹の増悪,抗dsDNA抗体上昇を認めた.上腕の組織で真皮全層の膠原線維の膨化と増生があり,強皮症とのオーバーラップとしてPSL30mgに増量し,症状,検査値ともに改善した.初診時には抗トポイソメラーゼ-Ⅰ抗体(Topo-Ⅰ)は陰性であったが,約1年半前の保存血清から陽転し,経時的な上昇が認められた.抗Topo-Ⅰ抗体の出現が強皮症の発症に先行していたことより,抗Topo-Ⅰ抗体をめぐる強皮症に特異的な免疫異常がその発症に強く関与していると考えた.

参考文献

1) Gussin HA: Arthritis Rheum44: 376, 2001
2) 佐藤伸一:Visual Dermatol2: 75, 2003
3) 小方冬樹, 他:日皮会誌103: 931, 1993
4) 伊藤暁彦, 他:皮膚臨床32: 1853, 1990
5) 三好 研, 他:皮膚臨床42: 1317, 2000
6) Katsumi S, et al: Br J Dermatol142: 1030, 2000
7) Kuwana M, et al: Arthritis Rheum37: 75, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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