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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻9号

2007年08月発行

症例報告

多彩な組織像を呈した隆起性皮膚線維肉腫の1例

著者: 若林麻記子1 藤井紀和1 山本佳名子1 植西敏浩1 段野貴一郎1 田中俊宏1

所属機関: 1滋賀医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.720 - P.723

文献概要

要約 40歳,男性.左大腿内側に,径8×8cm,高さ10cmの悪臭を伴う,下床との可動性が良好な弾性硬の腫瘤が生じた.腫瘤の先端部は,びらんを伴った径3cm大の肉芽腫様腫瘤が突出していた.肉芽腫様部分の生検では,細胞密度の低い紡錘形から卵円形細胞,血管増生,myxoid areaを認めた.治療は二期的に行った.1回目の手術で腫瘤辺縁から3cm離し,下床は筋膜を含め切除を行い,人工真皮を貼付した.全切除標本の病理組織像では,隆起性皮膚線維肉腫に特徴的とされるstoriform pattern,honeycomb pattern,herringbone patternのほかに,myxoid area,xanthomatous areaなど多彩な組織像を認めた.2回目の手術で,下床の薄筋,内転筋の一部を含めて切除し,分層網状植皮術にて再建した.

参考文献

1) Weiss SW, Goldblum JR: Enzinger and Weiss' Soft Tissue Tumors, 4th ed, Mosby, St Lois, p491, 2001
2) 泉 美貴:Visual Dermatology3: 976, 2004
3) Bowne WB, et al: Cancer12: 2711, 2000
4) Mentzel T, et al: Am J Surg Pathol22: 576, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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