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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻9号

2007年08月発行

文献概要

症例報告

Toxic shock syndromeの1例と当院経験例7例のまとめ

著者: 島貫美和1 石川博康1 井上あい2 鈴木昌幸2

所属機関: 1山形県立中央病院皮膚科 2山形県立中央病院内科

ページ範囲:P.727 - P.730

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要約 30歳,男性.発熱,嘔吐を主訴に当院救命救急センターを受診し,急速な血圧低下をきたし敗血症性ショック疑いにて入院した.翌日,皮疹につき当科を紹介された.日焼け様皮疹,結膜の充血,検査所見より,誘因不明の毒素性ショック症候群(TSS)と診断した.第5病日には全身の紅斑はほぼ消退し,第7病日より顔面を中心に落屑がみられ,第16病日より手足の落屑がみられた.当院では今回報告例と合わせ7例のTSS(2例のprobable TSSを含む)を経験している.女性にやや多く,平均年齢36歳,誘因別では咽頭炎が最多であった.皮膚症状は全例に出現し,発熱,消化器症状の出現後,血圧低下と前後して認められる傾向にあった.7例のうち6例で典型的な日焼け様紅斑がみられたが,1例では両腋窩・腹部主体に淡紅斑がみられるのみであった.

参考文献

1) 多田譲治:最新皮膚科学大系14, 中山書店, p102, 2003
2) 多田譲治:最新皮膚科学大系 特別巻2, 中山書店, p352, 2004
3) 石川博康, 他:臨皮54: 385, 2000
4) 藤盛成裕, 他:形成外科44: 271, 2001
5) Sanada S, et al: Ther Apher Dial8: 503, 2004
6) Todd J, et al: Lancet2: 1116, 1978
7) 阿部 淳:医学のあゆみ206: 533, 2003
8) 古川良幸, 他:感染症誌60: 1147, 1986
9) 中江 孝, 他:感染症誌76: 195, 2002
10) 木花いづみ, 荻原 通:皮膚病診療23: 1229, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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