文献詳細
症例報告
文献概要
要約 73歳,女性.2006年8月より38℃台の発熱,全身倦怠感,両下腿の腫脹と淡い紅斑が出現した.血液検査で白血球数,CRP,MPO-ANCAが高値で,皮膚生検で中型動脈の壊死性血管炎がみられた.ANCA関連血管炎と診断し,プレドニゾロン50mg/日を開始したところ,症状は改善し,MPO-ANCAも低下した.自験例は罹患血管が中型動脈でありながら,MPO-ANCAが陽性を示し,結節性多発動脈炎と顕微鏡的多発血管炎の中間の特徴を有した症例である.また,皮膚症状が軽微な紅斑のみであった点が,血管炎の皮膚症状としては非典型的である.
参考文献
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