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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻1号

2008年01月発行

症例報告

Bier's spotの2例

著者: 岡田修子1 出口雅敏1 國方なぎさ1 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野

ページ範囲:P.42 - P.44

文献概要

要約 症例1:23歳,女性.家族歴,既往歴に特記すべきことはない.喫煙歴はない.症例2:32歳,女性.家族歴に特記すべきことはない.既往歴に子宮頸癌の手術を受けた.化学療法,放射線療法は行っていない.1日20本,6年間の喫煙歴がある.症例1では初診の3年前より,症例2では2か月前より,自覚症状のない境界不明瞭な白色斑を自覚した.白色斑は後天性で,消長を繰り返した.また,白色斑は圧迫により褪色がみられた.症例1の白色斑はwood灯で不明瞭化した.症例2では上腕の駆血試験で白色斑が増強し,静脈圧の関与が考えられた.また,この患者では,組織学的に色素脱失など他疾患を示唆する特記所見を認めなかった.禁煙指導により約3か月で症状の改善がみられた.本邦におけるBier's spotの報告例は,自験例を含めて延べ8例である.Bier's spotの概念に触れ,考按を加えて報告する.

参考文献

1) Winkin JK, Martin H: J Am Acad Dermatol14: 411, 1986
2) Bier A: Arch Path Anat153: 306, 1898
3) Miura Y, et al: Dermatology201: 180, 2000
4) 影下登志郎, 玉置邦彦:最新皮膚科学大系, 第11巻, 中山書店, p80, 2002
5) Plantin P, Schoenlaub P: Dermatology202: 271, 2001
6) Schoenlaub P, et al: Eur J Dermatol9: 230, 1999
7) 小野公司, 他:皮膚診療27: 91, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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