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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻10号

2008年09月発行

文献概要

症例報告

Warty dyskeratomaの1例

著者: 黒川晃夫1 森脇真一2 清金公裕2 酒谷省子3

所属機関: 1市立枚方市民病院皮膚科 2大阪医科大学皮膚科学教室 3酒谷皮フ科クリニック

ページ範囲:P.736 - P.738

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要約 47歳,女性.初診時,左頰部に表面粗糙で中央が軽度陥凹した直径3mm大の赤褐色の小結節が認められた.病理組織学的には,表皮は不全角化を伴う角栓を取り囲むようにカップ状に陥凹していた.陥凹底部および側方では,著しい裂隙を形成しながら,1層ないし2層の異型性に乏しい基底細胞様細胞が絨毛状に増殖する像がみられた.裂隙内には棘融解細胞や異常角化細胞が散見された.本症例をwarty dyskeratomaと診断した.連続切片にて,角栓側壁の表皮と毛包脂腺系との連続性が確認され,一部の基底細胞様細胞および裂隙内の細胞がperiodic acid Schiff染色陽性であったことから,本疾患は毛包由来であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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