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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻10号

2008年09月発行

文献概要

症例報告

肺転移を生じた基底細胞癌の1例

著者: 鵜飼恭子1 浅井純1 花田圭司1 竹中秀也1 加藤則人1 岸本三郎1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.739 - P.741

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要約 29歳,女性.上口唇の結節潰瘍型基底細胞癌に対し,腫瘍切除術を施行した.しかし,初回手術の5年後,10年後,15年後,17年後に局所再発を繰り返し,手術,化学療法,放射線治療,インターフェロン療法などの治療を行った.19年後には肺転移巣が出現し,外科的切除を3回行った.再度肺野に転移巣が出現したが,心臓に接する部位であり,手術を断念し,放射線治療および化学療法を施行したところ,転移巣は消失した.初診より25年後,療養型病院に入院中に敗血症により死亡した.このとき施行された胸部CTでは,肺野に腫瘤影は認めなかった.自験例では遠隔転移後約10年間生存し,後半の5年間はdisease freeであり,放射線治療を含めた集学的治療が有効であったと考えた.

参考文献

1) 小野友道, 他: 最新皮膚科学大系12, 中山書店, p82, 2002
2) Domarus H, Stevens PJ: J Am Acad Dermatol10: 1043, 1984
3) 河崎孝弘, 他:皮膚臨床35: 537, 1993
4) Letters R, Kessler RW: Cancer4: 866, 1951
5) 星野 慶, 他:臨皮58: 979, 2004
6) Dubin N, Kopf AW: Arch Dermatol119: 373, 1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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