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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻10号

2008年09月発行

文献概要

症例報告

熱傷瘢痕に生じた無色素性基底細胞癌の1例

著者: 中捨克輝1 植田晃史1 諏訪部寿子1 五味博子1 福積聡1 川久保洋1 松葉幹夫2

所属機関: 1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科 2松葉皮膚科

ページ範囲:P.742 - P.744

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要約 70歳,女性.2歳時に熱湯により左前腕の熱傷を負い,その後瘢痕治癒した.1年半前より同部にびらんが出現し,他医で治療を行ったが上皮化が遷延した.初診時,以前存在した瘢痕に一致して表面紅色,径13mm大の一部びらんを呈する易出血性の紅斑が存在した.生検により,基底細胞癌と診断した.拡大切除術を施行,局所皮弁を用いて再建した.熱傷瘢痕に生ずる悪性腫瘍は有棘細胞癌がほとんどで,基底細胞癌は検索しえた限り本邦で過去20年に15例と比較的稀である.加えて自験例では,本邦では基底細胞癌の多くにみられる黒褐色調を呈しておらず,この点においても稀と思われた.

参考文献

1) 菊池秀雄:西日皮膚65: 479, 2003
2) 小関 伸:臨皮48: 717, 1994
3) 斉藤和哉:Skin Cancer16: 233, 2001
4) 大守 誠:Skin Cancer21: 298, 2006
5) 山田孝宏:日皮病理組織会誌12: 58, 1996
6) 古城八寿子:Skin Cancer7: 354, 1992
7) Noodleman FR, et al: J Dermatol Surg Oncol12: 841, 1986
8) 大藤 聡:臨皮61: 267, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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