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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻10号

2008年09月発行

文献概要

症例報告

臀部慢性膿皮症に併発した有棘細胞癌の2例

著者: 大谷朋之1 芳賀貴裕1 本蔵賢治1 長谷川聡1 出口雅敏1 菊地克子1 松永純1 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学皮膚科学講座

ページ範囲:P.745 - P.748

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要約 症例1:55歳,男性.罹病期間は不明の臀部慢性膿皮症に有棘細胞癌を併発した.センチネルリンパシンチグラフィで左鼠径リンパ節に集積がみられたが転移はなく,また画像上,遠隔転移は認めなかった.手術および化学療法を行った.症例2:57歳,男性.30年以上前よりあった臀部慢性膿皮症に有棘細胞癌を併発した.鼠径リンパ節転移,遠隔転移は認めなかった.手術および化学療法を行った.症例1は術後2年,症例2は術後1年半の時点で,再発や転移の所見はない.臀部慢性膿皮症が有棘細胞癌の発生母地になりうることは広く知られているが,実際に癌化した臀部慢性膿皮症の治療を経験する機会は決して多くはない.自験例を通して,臀部慢性膿皮症は早期に根治的手術療法を行うべきであると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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