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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻10号

2008年09月発行

文献概要

症例報告

外陰部に生じた脂腺癌の1例

著者: 金田和宏1 小松成綱1 堀仁子1 本間大1 山本明美1 飯塚一1

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.749 - P.751

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要約 76歳,女性.約半年前から,左大陰唇の徐々に増大する結節を自覚した.初診時,2cm大のびらんを伴う紅色結節を認め,子宮頸癌の既往と血中SCC高値から,転移性皮膚腫瘍を疑った.生検標本では腫瘍細胞は核異型,核分裂像を認める基底細胞様細胞と明るい胞体をもつ泡沫状細胞からなり,泡沫状細胞は脂肪染色陽性,免疫組織化学染色ではEMA,HMFG-2が陽性,S-100蛋白は陰性であった.さらに,電子顕微鏡所見で大小さまざまな脂肪滴や脂胞の存在を認め,脂腺癌と診断した.腫瘍辺縁から5mm離して全切除し,術後1年で再発は認めない.子宮頸癌の既往があり,Muir-Torre症候群の可能性を検討した.

参考文献

1) 峯田昌典, 他:皮膚臨床37: 63, 1995
2) Kawamoto M, et al: Pathol Int45: 767, 1995
3) Carlson JW, et al: Gynecol Oncol60: 489, 1996
4) Schwartz RA, Torre DP: J Am Acad Dermatol33: 90, 1995
5) Cohen MC, et al: Dermatol Clin13: 79, 1995
6) 栗田佳和, 他:西日皮膚58: 241, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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