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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻10号

2008年09月発行

文献概要

症例報告

X線照射とHAARTの併用が有効であったAIDS関連Kaposi肉腫の1例

著者: 福田桂太郎1 髙江雄二郎1 吉田理恵1 木村佳史1 海老原全1 根岸昌功2 高橋愼一3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科 2ねぎし内科診療所 3東京歯科大学市川総合病院皮膚科

ページ範囲:P.752 - P.755

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要約 55歳,男性.HIV陽性.初診の約4年前から両足底を中心に有痛性紫紅色斑が出現した.皮疹の拡大と疼痛の増強があり,受診した.初診時,両足底から内側縁および右第3趾に境界明瞭な浸潤を伴う紫褐色の局面を認めた.両下腿から足背は腫脹し,熱感を伴っていた.病理組織像では,膠原線維間に赤血球を容れた多数の不規則な裂隙の形成がみられた.他臓器病変なく,皮膚に限局したAIDS関連Kaposi肉腫と診断した.疼痛としびれのために歩行困難となったため,多剤併用抗HIV療法に加え,病変に対してX線を30Gy照射した.照射終了後2週間で自覚症状は改善し,歩行可能になった.1か月後には,局面は淡い紫褐色の色素沈着を認めるのみで,速やかな治療効果が得られた.

参考文献

1) Ensoli B, et al: Nature345: 84, 1990
2) Dupont C, et al: AIDS14: 987, 2000
3) 赤城久美子, 他:日皮会誌114: 1267, 2004
4) Lebbe C, et al: AIDS12: 45, 1998
5) 赤城久美子, 他:臨皮56: 687, 2002
6) Cattelan AM, et al: Int J Oncol27: 779, 2005
7) Kirova YM, et al: Radiother Oncol46: 19, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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