文献詳細
症例報告
文献概要
要約 38歳,男性.再発性陰部ヘルペスにて近医に通院中,ほぼ全身に皮疹が生じてきたため,当科へ紹介となった.初診時,ほぼ全身に小豆大までのびらん,痂皮を伴う紅色丘疹が多発し,陰部潰瘍,口腔内の白苔,全身倦怠感も伴っていた.問診にて同性愛者であることが判明した.精査にてHIV抗体および梅毒血清反応が陽性,皮膚生検にてWarthin-Starry染色陽性の菌体を認め,HIV感染に伴う第2期梅毒と診断した.アモキシシリン3,000mg/日とプロベネシド1,000mg/日を併用して2週間投与したところ,発熱が持続したため,ペニシリンアレルギーを疑った.塩酸ドキシサイクリン200mg/日に変更し,さらに2週間投与して,皮疹は色素沈着を残して消退した.
参考文献
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