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著者: 瀧川雅浩
所属機関:
ページ範囲:P.776 - P.776
文献購入ページに移動今回は初のアジア開催ということで,Hanifin教授のsuggestionもあり,太藤,上原両名誉教授にもお越しいただきました.太藤,上原両先生は,日本いや世界のアトピー性皮膚炎研究を牽引してきた研究者です.atopic skinの毛包性丘疹は組織的に明らかなspongiosisがみられ,アトピー性皮膚炎そのものである,とArchives of Dermatologyに報告されました.さて,会はまずThomas Bieber教授の“Atopic Dermatitis;One or Several Diseases?”という演題でスタートしました.その後,かゆみのメカニズム,感染症の問題,治療,Psychodermatology,Evidence-based dermatology,患者教育の重要性など,さまざまなテーマについて発表がありました.発表を聞いていて少々気になったのが,病因についてです.今のトレンドは,アレルギー機序プラス皮膚構成蛋白(特にバリアーに関連した)遺伝子の異常を組み合わせてストーリーを作るというものです.その中でも,フィラグリン遺伝子の変異が問題になっており,これを呪文のように唱える発表者が多くみられました.しかし,バリアーに関連する分子は無数にあり,今はフィラグリンでも来年は別の蛋白になるのではないか,といった冷めた意見もありました.研究に旬があるかどうかわかりませんが,流行を追うといった最近の研究の流れを否が応でも感じました.いずれにしても,シンポジウムは和気藹々のうちに2日間の予定を無事終了しました.教室からは,瀧川,橋爪,八木,伊藤が外人相手に奮闘しました.
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