icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻11号

2008年10月発行

今月の症例

後頸部に生じた巨大なspindle cell lipomaの1例

著者: 林裕嘉1 星野洋良1 森布衣子1 木花いづみ1

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科

ページ範囲:P.784 - P.787

文献概要

要約 51歳,男性.10年以上前より徐々に増大した右後頸部の12cm大の半球状に隆起する弾性やや硬の腫瘤で,下床とは可動性があり自覚症状を欠いていた.経過からlipomaを考えたが,腫瘍内部がMRI上,一部不均一に描出されたため,術前にliposarcomaも否定しきれなかった.病理組織学的に成熟脂肪細胞が増殖する部分と,膠原線維の増生と豊富な粘液性間質を伴う紡錘形細胞が増殖する部分が混在し,肥満細胞が散見された.核異型,脂肪芽細胞は認めずspindle cell lipomaと診断した.本症の画像所見は腫瘍内の多彩な組織像を反映していると考えられた.

参考文献

1) Enzinger FM, Harvey DA: Cancer36: 1852, 1975
2) 石井利昌, 他:日本臨床外科学会62: 244, 2001
3) 中山りわ, 他:皮膚病診療26: 1143, 2004
4) 林 尚子, 他:日本皮膚病理組織学会5: 80, 1989
5) ニンデル, 他:皮膚病診療28: 435, 2006
6) Elder DE, et al: Lever's Histopathology of the Skin, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, p1068, 2005
7) 馬場直子, 他:臨皮47: 75, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら