icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻11号

2008年10月発行

文献概要

症例報告

ボルテゾミブによる薬疹の1例

著者: 後藤康文1 高田実1 牧島秀樹2 石田文宏2 斎田俊明1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2信州大学医学部血液内科

ページ範囲:P.801 - P.803

文献購入ページに移動
要約 52歳,女性.再発性の多発性骨髄腫に対し,新規分子標的治療薬であるボルテゾミブの投与を開始したところ,2サイクル8日目(投与開始から29日目)に頸部,胸部,背部,両前腕に小豆大までの紅暈を伴うかゆみのない淡紅色丘疹が散発してきた.一部には紫斑も混じていた.皮膚生検では真皮内の血管に壊死性血管炎の像が認められた.皮疹は約5日間で自然に消退したが,その後もボルテゾミブ投与のたびごとに繰り返し出現した.ボルテゾミブは比較的高頻度に薬疹を生じ,自験例に認められたような特徴的な臨床像を呈することが報告されている.皮疹出現にもかかわらず,ボルテゾミブの継続投与が可能であった.

参考文献

1) Hideshima T, et al: J Biol Chem277: 16639, 2002
2) Adams J: Nat Rev Cancer4: 349, 2004
3) O'Connor OA, et al: J Clin Oncol23: 676, 2005
4) Agterof MJ, Biesma DH: N Engl J Med352: 2534, 2005
5) Pour L, et al: Haematologica90: 44, 2005
6) Richardson PG, et al: N Engl J Med348: 2609, 2003
7) 小川吉明, 他:血腫瘍55: 298, 2007
8) Wu KL, et al: J Am Acad Dermatol55: 897, 2006
9) Gerecitano J, et al: Br J Haematol134: 391, 2006
10) Min CK, et al: Eur J Haematol76: 265, 2006
11) Garcia-Navarro X, et al: Br J Dermatol157: 799, 2007
12) Knoops L, et al: Br J Haematol131: 142, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?