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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻11号

2008年10月発行

文献概要

症例報告

頭部に生じ,bcl-2強陽性,MUM-1陽性であった原発性皮膚大型B細胞リンパ腫の1例

著者: 浅野雅之1 國井隆英1

所属機関: 1岩手県立胆沢病院皮膚科

ページ範囲:P.843 - P.846

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要約 83歳,男性.約1年前から頭部に紫紅色の腫瘍が出現し,徐々に増数,増大するため,当科を受診した.病理組織検査で大型のくびれのない核をもつB細胞の増殖を認め,light chain restrictionならびに免疫グロブリンH鎖遺伝子で単クローン性の再構成バンドを認めた.理学的および画像による全身検索で皮膚以外の病変を認めず,原発性皮膚大型B細胞リンパ腫と診断した.免疫組織化学染色でbcl-2強陽性,MUM-1陽性であり,大型B細胞リンパ腫のなかでも予後がよくないといわれているleg typeと同様の細胞形質を有していた.しかし,放射線治療で腫瘤は平坦化し,4か月経った現在,再発,他臓器転移はない.

参考文献

1) 長谷哲夫:日皮会誌115: 2176, 2005
2) Willemeze R, et al: Blood105: 3768, 2005
3) Falini B, Mason DY: Blood99: 409, 2002
4) Grange F, et al: J Clin Oncol19: 3602, 2001
5) Sneff NJ, et al: Arch Dermatol143: 1520, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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