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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻11号

2008年10月発行

文献概要

症例報告

骨髄移植後に生じたサイトメガロウイルス(CMV)性肛門周囲潰瘍

著者: 松永裕美1 松村由美1 宮地良樹1 三富陽子2 真鍋俊明3 河野文彦3 安部大輔4 梅田雄嗣4 足立壮一4 中畑龍俊4

所属機関: 1京都大学医学部皮膚科学教室 2京都大学附属病院看護部 3京都大学附属病院病理部 4京都大学附属病院小児科

ページ範囲:P.847 - P.849

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要約 17歳,男性.1歳9か月時に慢性肉芽腫症と診断され,2005年8月に同種骨髄移植,ドナーリンパ球輸注を施行し,急性GVHDを発症したため,ステロイド,免疫抑制薬増量によって加療された.その経過中に陰部・肛門部,左下肢,右顔面三叉神経第1・2枝領域に次々に帯状疱疹が出現した.また同時に,下痢のための肛門周囲の一次刺激性皮膚炎が遷延した.肛門周囲のびらんはいったん治癒したが,その後,肛門周囲に潰瘍が出現した.皮膚生検の結果,CMV性肛門周囲潰瘍と診断した.小腸内視鏡においてもCMV感染が確認され,下痢便を介してCMVが肛門に付着して,局所において感染が成立したものと考えた.

参考文献

1) Toome, BK, et al: J Am Acad Dermatol24: 860, 1991
2) Barbarulo, AM, et al: Cutis67: 43, 2001
3) Saito Y, et al: Acta Derm Venereol86: 181, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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