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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻12号

2008年11月発行

文献概要

症例報告

グルコン酸カルシウムによる医原性石灰沈着症の1例

著者: 馬場ひろみ1 濱谷詩織1 尾上智彦1 堀和彦1 長井泰樹1 幸田公人1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.891 - P.893

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要約 生後1か月,男児.左副腎原発神経芽細胞腫の手術目的で当院小児外科に入院した.入院時,低カルシウム血症を認めたため,8日間グルコン酸カルシウム点滴静注施行後,補液を継続していたところ,左前腕の留置針刺入部に発赤および腫脹を認めたため,点滴剤漏出を疑い,留置針を抜去した.湿布薬貼布により発赤は徐々に軽減したが,皮下硬結が残存した.単純X線写真で左手関節手背側の軟部組織内に石灰化を有する境界不明瞭な腫瘤を認め,病理組織像では真皮中層から皮下脂肪織にかけて好塩基性でvon Kossa染色陽性の無構造物質および異物巨細胞を混じる炎症性細胞浸潤を認め,皮膚石灰沈着症と診断した.皮下硬結は徐々に縮小し,約2か月で自然消退した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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