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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻12号

2008年11月発行

文献概要

症例報告

ロイコトリエン拮抗薬内服患者に発症したChurg-Strauss症候群

著者: 志賀建夫1 中島喜美子1 横川真紀1 池田光徳1 佐野栄紀1 小玉肇12

所属機関: 1高知大学医学部皮膚科学講座 2三愛病院皮膚科

ページ範囲:P.894 - P.897

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要約 78歳,女性.初診の1か月ほど前より両下腿に紫斑が生じ,同時に足趾のしびれ感が出現した.初診時,両下腿に紫斑が散在し,一部では血疱を形成していた.背部に手掌大の紅褐色局面がみられた.多発単神経炎のため,歩行不可能であった.紫斑,紅褐色局面ともに病理組織学的には真皮全層にわたる著明な好酸球浸潤がみられた.末梢血中好酸球増多,気管支喘息に対する6年間のロイコトリエン拮抗薬内服歴,多発神経炎からChurg-Strauss症候群(CSS)と診断した.プレドニン ®の投与にて皮疹は速やかに消退し,末梢血好酸球数も正常範囲内に低下した.多発単神経炎に対してはNSAIDsの投与とリハビリテーションを行い,歩行可能な状態まで改善した.ステロイドの全身投与歴がなく,ロイコトリエン拮抗薬の内服中にCSSを発症しており,CSSは気管支喘息患者において投薬歴によらず,念頭に置くべき疾患と考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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