文献詳細
文献概要
症例報告
くすぶり型骨髄腫(IgA-λ型)に伴った壊疽性膿皮症の1例
著者: 寺田知音1 中林康靑1
所属機関: 1三井記念病院皮膚科
ページ範囲:P.902 - P.905
文献購入ページに移動要約 74歳,男性.13年前に急性虫垂炎,腸閉塞にて手術を施行された.9年前にcardiac syndrome Xを指摘される.8年前より壊疽性膿皮症にて外来加療中のところ,難治なため,入院にてプレドニゾロン,塩酸ミノサイクリン,ジアフェニルスルホン内服を試みたが,途中から治療に反応しなくなった.全身検索にて高IgA血症,全身性アミロイドーシスを認めたことから,背景に骨髄腫の存在を疑ったが,骨髄生検を施行する前に,全身状態の悪化により死の転帰をとった.後の病理解剖によりくすぶり型骨髄腫(IgA-λ型)を確認した.壊疽性膿皮症と高IgA血症,くすぶり型骨髄腫(IgA-λ型),全身性アミロイドーシスとの関連,および治療に関して考察した.
参考文献
1) Brunsting LA, et al: Arch Dermatol22: 655, 1930
2) Powell FC, et al: Arch Dermatol119: 468, 1983
3) 山本都美, 他:臨皮60: 575, 2006
4) 石塚洋典, 他:皮病診療27: 1403, 2005
5) 片山 洋, 他:臨皮34: 1649, 1992
6) 磯貝行秀:日本血液学全書, 8巻, 丸善, p242, 1979
7) Jablonska S, et al: Hautarzt15: 584, 1964
8) 田辺健一, 他:皮病診療28: 933, 2006
9) 市川雅子, 他:皮膚臨床43: 515, 2001
掲載誌情報