icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻12号

2008年11月発行

文献概要

症例報告

抗Mi-2抗体陽性を示した皮膚筋炎の1例

著者: 藤沢智美1 清島真理子1 加治賢三2 藤本学2 桑名正隆3

所属機関: 1大垣市民病院皮膚科 2金沢大学大学院医学研究科皮膚科 3慶應義塾大学医学部リウマチ内科

ページ範囲:P.909 - P.912

文献購入ページに移動
要約 64歳,男性.2か月前より筋肉痛,口内炎に気づき当科を受診した.38℃以上の発熱,倦怠感があり,顔面,頸部,肩,手背,膝にびまん性紅斑,上背部に線状紅斑がみられた.末梢血で筋原性酵素の著しい上昇がみられ,抗核抗体1,280倍,抗Jo-1抗体陰性,抗Mi-2抗体陽性であった.間質性肺炎,内臓悪性腫瘍の合併はなかった.病理組織像は,真皮血管周囲と筋層内にリンパ球浸潤がみられた.皮膚筋炎と診断し,治療はプレドニゾロン60mg/日より開始した.皮疹,筋症状ともに消失し,検査値も正常化した.抗Mi-2抗体陽性皮膚筋炎は急性発症で,典型的な皮膚筋炎の像をとり,予後が良好な例が多いが,本邦での報告は稀である.

参考文献

1) Targoff IN: Rheum Dis Clin North Am20: 857, 1994
2) Hirakata M, et al: Arthritis Rheum35: 449, 1992
3) 小村一浩, 他:臨皮58: 643, 2004
4) Mierau R, et al: Arthritis Rheum39: 868, 1996
5) Mathews MB, Bernstein RM: Nature304: 177, 1983
6) Targoff IN, Reichlin M: Arthritis Rheum28: 796, 1985
7) 竹原和彦, 他:リウマチ・膠原病 最新トピックス―変わりゆく研究と診療, 診断と治療社, p103, 2005
8) Seeling HP, et al: Arthritis Rheum39: 1769, 1996
9) Zhang Y, et al: Cell95: 279, 1998
10) 徳永勝士:実験医学4: 423, 1986
11) 柳田淳美, 室 慶直:日皮会誌110: 171, 2000
12) 山本圭子, 他:皮膚臨床44: 545, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?