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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻12号

2008年11月発行

文献概要

症例報告

先天性絞扼輪症候群にeccrine angiomatous hamartomaを合併した1例

著者: 小島令子1 苅谷清徳1 榊原代幸1 山口裕史1 森田明理1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学

ページ範囲:P.926 - P.929

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要約 10歳,女児.先天性絞扼輪症候群のため,右第3指DIP関節遠位端および,右第4指先端の一部に欠損がある.5歳時よりその右第3指先端に疼痛を自覚,整形外科にて皮下腫瘤を指摘された.次第に疼痛が増悪し,当科を紹介された.疼痛除去を目的に切除したところ,病理組織像で真皮内の膠原線維の増殖と脂肪織の不整な分布を認め,真皮中層~深層に増生した膠原線維内にエクリン汗腺と小血管の増生,特に神経の増加を認め,eccrine angiomatous hamartomaと診断した.切除後,疼痛は消失した.これまで先天性絞扼輪症候群とeccrine angiomatous hamartomaの合併例報告はなく,詳細は不明であるが,両疾患の発生・特徴から,この2つの疾患には関連があると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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