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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻13号

2008年12月発行

文献概要

今月の症例

皮膚Rosai-Dorfman病の1例

著者: 岡田玲奈1 森布衣子1 木花いづみ1 栗原誠一2

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2湘南皮膚科

ページ範囲:P.954 - P.957

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要約 40歳,女性.3年前,左膝に自覚症状のない径2.5cm大の紅色結節が出現した.各種培養,病理組織検査など施行したが確定診断には至らず,皮疹は自然消退した.その後も時折,小丘疹の出没は認めていたが,3か月前より軀幹・四肢に毛囊炎様の紅色丘疹が出現し,症状が増悪した.病理組織学的に真皮から皮下脂肪織にかけてリンパ球,好中球,好酸球,組織球よりなる稠密な細胞浸潤があり,組織球の細胞質内に無傷のリンパ球・好中球の所見(emperipolesis)を認めた.全身症状,頸部リンパ節腫脹など,節外病変は認めず,皮膚Rosai-Dorfman病と診断した.数週から数か月の経過で皮疹は平坦化し,色素沈着を残して消退した.毛囊周囲の細胞浸潤が認められ,毛囊炎に対する組織球の過剰な反応として形成された可能性が示唆された.

参考文献

1) Rosai JD, Dorfman RF: Arch Pathol87: 63, 1969
2) Foucar E, et al: Semin Diagn Pathol7: 19, 1990
3) Chu P, LeBoit PE: J Cutan Pathol19: 201, 1992
4) Annessi G, Giannetti A: Br J Dermatol134: 749, 1996
5) Innocenzi D, et al: J Cutan Pathol25: 563, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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