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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻13号

2008年12月発行

症例報告

ブロチゾラム(レンドルミン®)による多発型固定薬疹の1例

著者: 近藤誠1 石井亜紀子1 磯田憲一1 山中恵一1 黒川一郎1 水谷仁1

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.970 - P.972

文献概要

要約 42歳,男性.多発性硬化症(MS)による筋力低下のため,7年前よりベタフェロン ®を自己投与していた.MSの悪化のため入院し,ステロイドパルス療法を受けた.不眠のためレンドルミン ®を内服していたところ,左大腿,左手背に類円形の紅斑,水疱が出現した.病理組織学的所見では基底層に液状変性,個細胞壊死を認め,固定薬疹と考えた.初診3か月後,MSの症状が再び悪化し,再入院した.ステロイドパルス療法の施行とともにレンドルミン ®の内服をしていたところ,前回出現した同じ部位に加え,背部に水疱を伴う紅斑が出現した.レンドルミン ®のリンパ球刺激試験が陽性であり,病歴よりレンドルミン ®による固定薬疹と診断した.本剤による固定薬疹はきわめて稀である.

参考文献

1) 清水正之, 他:日臨皮会誌45: 56, 1995
2) 杉浦真理子, 他:日皮会誌108: 614, 1998
3) 早川律子, 他:皮膚科臨床治療大系Suppl 5, 講談社, p130, 2000
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6) 中村好貴, 他:皮病臨床29: 173, 2007
7) 北見 周, 他:Medicina40: 993, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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