文献詳細
症例報告
文献概要
要約 70歳,男性.初診の3年前に陰囊左側の結節に気付いた.当科初診時,陰囊左側に14×11×5mmの弾性軟で透光性がある結節を認めた.ダーモスコピーではarborizing vessels,leaf like structures,blue gray ovoid nestsがみられた.病理組織学的には表皮と連続した囊腫構造を認め,囊腫の壁を好塩基性の腫瘍細胞が構成していた.以上より,囊腫型の基底細胞癌と診断した.外陰部の基底細胞癌は比較的稀である.また,基底細胞癌の組織型は充実型が多くを占め,囊腫型の頻度は低い.自験例は発生部位,組織型とも稀な症例と考えた.
参考文献
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