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書評
―編:内富庸介,藤森麻衣子―がん医療におけるコミュニケーション・スキル悪い知らせをどう伝えるか[DVD付]
著者: 西條長宏1
所属機関: 1国立がんセンター東病院
ページ範囲:P.1007 - P.1007
文献購入ページに移動 医師が患者とよくコミュニケーションをとり,適切に病状と治療の方向性などを説明し患者の理解と同意を得たうえで,検査や治療を行うことはがん医療の基本である.また,医師と患者のコミュニケーションは人対人のものであり,そこには個人の性格や考え方が反映されることは当然である.患者とのコミュニケーションのなかでも「悪い知らせの伝え方」については,さまざまな研究がなされており,欧米では確立された理論に基づくトレーニングが行われている.
一方,わが国ではそのような教育や訓練を受けたことのある医師はほとんどなく,約半数が「悪い知らせを伝えている医師に立ち合った」程度の“教育”しか受けていない.すなわち,患者とのコミュニケーションは経験に基づくものという考え方が中心になってきていた.しかし,それではやっていることが正しいか否か誰も自信はもてないとともに,いたずらに患者の不安感をあおったり,逆に過度の希望を抱かせたりしていることも多いと推定される.というのは,医師が自信のない場合は,患者にとって好ましくない情報についての議論を避けたり,根拠のない楽観論をせざるをえないことによる.結果的に医師は疲弊し,ますますストレスを感じる状態に陥ってしまう.
一方,わが国ではそのような教育や訓練を受けたことのある医師はほとんどなく,約半数が「悪い知らせを伝えている医師に立ち合った」程度の“教育”しか受けていない.すなわち,患者とのコミュニケーションは経験に基づくものという考え方が中心になってきていた.しかし,それではやっていることが正しいか否か誰も自信はもてないとともに,いたずらに患者の不安感をあおったり,逆に過度の希望を抱かせたりしていることも多いと推定される.というのは,医師が自信のない場合は,患者にとって好ましくない情報についての議論を避けたり,根拠のない楽観論をせざるをえないことによる.結果的に医師は疲弊し,ますますストレスを感じる状態に陥ってしまう.
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