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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻2号

2008年02月発行

文献概要

原著

面皰に対する活性型ビタミンD3誘導体外用薬の有用性の検討

著者: 林伸和1 津村睦子2 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2医療法人社団 代仁会スキンクリニック代官山

ページ範囲:P.98 - P.102

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要約 顔面に非炎症性皮疹(面皰)を20個以上有する尋常性痤瘡患者20例(男性1例,女性19例,平均年齢25.0歳)に対して,活性型ビタミンD3誘導体外用薬(オキサロール (R)軟膏)を全顔に1日1~2回の塗布を8週間継続し,面皰に対する有用性についてオープン試験により評価した.有効性解析対象部分集団18例の8週後の面皰減少率は,39.1±44.9%(p=0.002)であり,試験開始日に比較して面皰数は有意に減少した.また,安全性解析集団20例のうち5例に発現した副作用7件は,投与部位の皮膚反応(乾燥2件,掻痒感2件,刺激感1件,偶発的に合併したと考えられる湿疹1件)および原疾患の悪化(1件)で,いずれも軽度であった.活性型ビタミンD3誘導体外用薬で懸念される血清カルシウム値への影響は認められなかった.以上より,活性型ビタミンD3誘導体外用薬の面皰に対する有用性が示唆された.

参考文献

1) 林 伸和:香粧会誌27: 24, 2003
2) Michel S, et al: Br J Dermatol 139(Suppl52): 3, 1998
3) 林 伸和, 他:日皮会誌111: 1347, 2001
4) Hayashi N, et al: Br J Dermatol155: 895, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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