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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻2号

2008年02月発行

症例報告

S状結腸癌を伴った外陰部Paget病の1例

著者: 舛貴志1 奥山隆平1 芳賀貴裕1 橋本彰1 福士佐和子1 玉渕尚宏1 佐藤章子1 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野

ページ範囲:P.109 - P.111

文献概要

要約 72歳,女性.初診の4か月前に外陰部のかゆみを伴う皮疹を自覚した.病理組織学的に外陰部Paget病と診断した.精査の結果,S状結腸癌がみつかったが,肛門・直腸部に明らかな病変はみられず,連続性は認められなかった.外陰部病変はサイトケラチン(CK)7陽性/CK20陰性であったが,S状結腸癌はCK7陰性/CK20陽性と異なる染色性を示した.以上より,自験例はS状結腸癌からのPaget現象ではなく,外陰部原発のPaget病と診断した.外陰部Paget病の場合,Paget現象との鑑別にCK7とCK20の免疫組織化学染色が有用である.

参考文献

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8) Moll R, et al: Am J Pathol140: 427, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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