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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻2号

2008年02月発行

文献概要

症例報告

皮膚転移を生じた多発性骨髄腫の4例

著者: 山根尚子1 加藤直子1 柳輝希1 大澤倫子1 鈴木左知子2

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター皮膚科 2独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター血液内科

ページ範囲:P.112 - P.115

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要約 症例1:50歳,男性.多発性の骨病変でIgG-κ型多発性骨髄腫と診断され,4年後に体幹に皮下結節が多数出現し,7か月後に死亡した.症例2:43歳,男性.発熱および高カルシウム血症でIgG-λ型多発性骨髄腫と診断され,2か月後に体幹,上肢に多発性の紅色腫瘤が出現し,5か月後に死亡した.症例3:59歳,男性.HTLV-Iキャリア.骨病変による背部痛でIgA-κ型多発性骨髄腫と診断され,1年7か月後に右鼠径部に紅色腫瘤が出現し,2か月後に死亡した.症例4:65歳,女性.骨病変による腰痛でIgA-λ型多発性骨髄腫と診断され,6か月後に体幹および上肢に多発性の皮下腫瘤が出現した.サリドマイド療法により多発性骨髄腫は寛解に入り,皮下腫瘤も消退した.いずれも皮膚病変は多発性骨髄腫の特異疹と考えた.

参考文献

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10) 日本臨床血液学会医薬品等適正使用評価委員会:臨床血液46: 22, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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