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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻2号

2008年02月発行

症例報告

シアナミドを原因薬剤とするtoxic epidermal necrolysis (TEN)型薬疹の1例

著者: 髙田昌幸1 谷岡未樹1 中東恭子1 松村由美1 是枝哲1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座

ページ範囲:P.124 - P.127

文献概要

要約 84歳,男性.アルコール依存症に対してシアナミドの内服治療中であった.シアナミド内服12日後に四肢に紅斑が出現したが,軽度であったため,放置していた.29日目から全身性に皮疹が出現し,内服開始から39日目には急速にびらん,表皮剝離が出現した.表皮壊死・紅斑部分は体表面積90%以上で,正常皮膚は足背部分のみであった.眼瞼結膜および口腔粘膜もびらんとなり,開口困難であった.TEN型薬疹と診断し,メチルプレドニゾロン1,000mg/日を2日間,免疫グロブリン2.5gを2日間投与した.その後,皮膚症状は後遺症を残さずに治癒した.完全に上皮化した後に施行したパッチテストにおいて,シアナミドが陽性であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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