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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻2号

2008年02月発行

症例報告

シクロスポリン,塩酸ミノサイクリンおよびニコチン酸アミドの併用療法が奏効した抗ラミニン5型粘膜類天疱瘡の1例

著者: 大関正彦1 伊藤治夫1 齊藤玲子1 田中勝1 原田敬之1 小野沢基太郎2 橋本隆3

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科 2東京女子医科大学東医療センター歯科口腔外科 3久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.129 - P.132

文献概要

要約 硬口蓋の多発性水疱および,びらんを主訴に受診した75歳,女性.疼痛のため食事摂取が困難であった.眼瞼眼球間の結膜癒着を両側性に認めた.全身皮膚に異常なく,外陰部に粘膜疹はなかった.病理組織学的には,粘膜上皮下に水疱を認め,粘膜固有層に炎症細胞浸潤を伴った.ELISAにて抗デスモグレイン1および3抗体ともに陰性.蛍光抗体直接法にてIgG,IgM,C3はいずれも陰性であった.蛍光抗体間接法では,IgG抗体は陰性であったが,IgA抗体は1M食塩水剝離皮膚を基質とすると,表皮側に線状に陽性であった.ラミニン5を用いた免疫ブロット法では,γ2サブユニットにIgGが陽性であったため,粘膜類天疱瘡と診断した.シクロスポリン(ネオーラル (R))100mg/日投与を開始し,さらに塩酸ミノサイクリンとニコチン酸アミドも併用し,良好な経過を得ている.

参考文献

1) Chan LS, et al: Arch Dermatol138: 370, 2002
2) 田中俊宏:医学のあゆみ218: 962, 2006
3) 大塚知子, 他:臨皮54: 209, 2000
4) Chan LS, et al: J Invest Dermatol110: 103, 1998
5) Setterfield J, et al: Br J Dermatol138: 602, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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