icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻2号

2008年02月発行

症例報告

上腕の紅色皮疹と肝障害を伴いSjögren症候群を疑った1例

著者: 花川博義1 柳原誠1 真野鋭志2 刀塚俊起2 渡邉晴二3 小川晴子3

所属機関: 1真生会富山病院皮膚科 2真生会富山病院内科 3金沢医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.143 - P.146

文献概要

要約 29歳,女性.初診3か月前より,両上腕伸側に自覚症状のない発赤が生じ,皮疹は拡大して網状となった.初診後,両顎部と頸部に小指頭大の浸潤性紅斑が数個,さらに胸部,臀部,大腿に網状の紅斑が出現した.AST,ALTの上昇,抗核抗体40倍,抗SS-A抗体陽性,抗ミトコンドリアM2抗体陽性であった.

 上腕の皮膚病理組織は,汗腺周囲のリンパ球浸潤と真皮全層に膠原線維を囲んだ細胞浸潤病巣(膠原線維アタック型反応)を多数認めた.肝臓の病理組織学的所見は,肝小葉内とGrisson鞘に軽度のリンパ球浸潤と細胞壊死がみられた.眼や口の乾燥感はなかった.ステロイドの全身投与によって皮疹と肝障害は速やかに軽快した.

参考文献

1) 新井春江:MB Derma99: 8, 2005
2) 福井 博, 他:シェーグレン症候群―各科別診療の実際, 南江堂, p101, 1996
3) 前田 隆, 大西三郎:内科学, 朝倉書店, p1128, 2003
4) 寺田 亮, 他:Gastroenterol Endosc42: 724, 2000
5) 銭谷幹男:内科学, 朝倉書店, p1119, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら