icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻2号

2008年02月発行

症例報告

シクロスポリン内服中に生じた巨大ケラトアカントーマの1例

著者: 塚原菜々子1 伊東秀記1 松尾光馬1 上出良一1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.153 - P.155

文献概要

要約 59歳,男性.尋常性乾癬でシクロスポリン内服中,鼻尖部に25×20mm大の表面に角栓を伴う紅色腫瘤が生じ,2か月後には37×20×24mmに増大した.臨床症状より,ケラトアカントーマを考え切除した.病理組織学的所見では,表皮から連続性に上皮性細胞からなる腫瘍巣が塊状にみられ,核異型や核分裂像はなく,有棘細胞様細胞が増殖していた.また,本症例は径が2.5cm以上あり,臨床と病理所見から巨大ケラトアカントーマ(giant keratoacanthoma)と診断した.ケラトアカントーマは自然消退する可能性があるが,本症例のように増大の可能性があるものや,有棘細胞癌との鑑別が困難な場合は,積極的な外科的治療が望まれる.

参考文献

1) 浅井寿子, 安江敬子:皮膚診療24: 265, 2002
2) 花輪純子, 他:皮膚診療5: 407, 1983
3) 佐藤伸一, 他:皮膚病診34: 68, 1992
4) 山本俊幸, 他:皮膚臨床37: 200, 1995
5) 伊藤みさ子, 他:皮膚臨床34: 1641, 1992
6) 柴田美千代, 他:皮膚臨床34: 601, 1992
7) 山崎博樹, 他:日皮病理会誌9: 50, 1994
8) 鹿島真人, 他:埼玉医会誌19: 811, 1984
9) 森岡貞雄, 他:臨皮27: 465, 1973
10) Paul CF, et al: J Invest Dermatol120: 211, 2003
11) 小堀洋一, 他:皮膚臨床40: 1376, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら