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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

今月の症例

右内顆に有棘細胞癌を伴った色素性乾皮症D群の1例

著者: 塚原掌子1 籏持淳1 濱崎洋一郎1 山﨑雙次1 森脇真一2

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室 2大阪医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.270 - P.272

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要約 57歳,男性.家族に同症および血族結婚はない.小児期より顔面,手背に雀卵斑様の色素斑を認めていた.初診の1年前より右内顆に潰瘍が出現した.初診時,右内顆に表面潰瘍を呈する鶏卵大の結節と,顔面,両手背から前腕にかけてびまん性に小色素斑を認めた.右内顆の結節は病理組織学的に有棘細胞癌と診断した.皮膚光線テストでMEDは正常であった.患者細胞の紫外線照射後の不定期DNA合成能は正常の58%を示した.相補正試験で色素性乾皮症D群遺伝子を発現するベクターを導入時のみDNA修復能が回復した.これらの所見により,色素性乾皮症D群と診断した.

参考文献

1) 錦織千佳子:皮膚病診療22: 1118, 2000
2) 森脇真一, 錦織千佳子:臨皮53: 79, 1999
3) 森脇真一:Visual Dermatol3: 174, 2004
4) 近藤靖児, 他:日皮会誌101: 1163, 1991
5) 軽部幸子, 他:臨皮45: 951, 1991
6) 川内麻美子, 他:皮膚臨床45: 737, 2000
7) 渡辺宏数, 他:皮膚臨床46: 1923, 2004
8) 星野優子, 他:皮膚病診療27: 917, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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