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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

症例報告

レボフロキサシン(クラビット®)により麻痺性イレウスと薬疹を生じた1例

著者: 鶴見純也1 伊藤幸恵1 小田佐智子1 沖田博1 濱崎洋一郎1 籏持淳1 山﨑雙次1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.282 - P.284

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要約 53歳,男性.前立腺炎のため,レボフロキサシン(クラビット®),メフェナム酸(ポンタール®)を約5年前よりたびたび内服していた.5日前より腹痛と体幹に紅斑が出現した.軽度の発熱を伴い,徐々に紅斑が四肢に拡大した.播種性紅斑丘疹型薬疹を疑い,レボフロキサシン,メフェナム酸を中止し,プレドニゾロン投与で皮疹は消退した.レボフロキサシン,メフェナム酸のパッチテストとDLSTは陰性であったが,レボフロキサシンの内服テストで腹痛,偽腸閉塞症状とともに全身に紅斑が誘発された.メフェナム酸の内服テストは陰性であった.レボフロキサシンは,副作用として腸閉塞,偽膜性腸炎などの消化器症状を呈することがあるが,薬疹と同時に消化器症状を生じた報告例はない.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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