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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

症例報告

9歳の女児に発症したerythema nodosum migrans

著者: 川村哲也1 龍野一樹2 八木宏明1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科教室 2沼津市立病院皮膚科

ページ範囲:P.285 - P.288

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要約 9歳,女児.6週前に,右下腿前面に紅色の結節が出現し,その後中央が消退し,遠心性に拡大した.初診時の皮疹は,10~20mm幅の強い浸潤を伴う環状紅斑で,径は90×60mmであった.局所熱感を伴うが,圧痛はなかった.病理組織学的には皮下脂肪織隔壁が肥厚し,隔壁から近接脂肪小葉にリンパ球や組織球が浸潤し,肉芽腫様構造を呈した.皮膚組織培養から,一般細菌・真菌・抗酸菌は検出されなかった.全身状態は良好で,血液検査所見に異常はなかった.erythema nodosum migrans (ENM)と診断し,アモキシシリンを投与したところ,約2か月で消退した.投薬中止後6か月間,再燃はない.病勢に応じて病変部の多毛が著明であった.小児のENMはきわめて稀である.

参考文献

1) Bäfverstedt B: Acta Derm Venereol (Stockh)34: 181, 1954
2) 八木宏明, 他:臨皮45: 1079, 1991
3) 原田和俊, 他:皮膚臨床44: 701, 2002
4) Rostas A, et al: Arch Dermatol116: 325, 1980
5) 滝澤三久, 他:皮膚臨床44: 818, 2002
6) 門馬文子, 三橋善比古:Visual Dermatol5: 1186, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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