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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻4号

2008年04月発行

症例報告

経過中に血栓性血小板減少性紫斑病を併発した全身性強皮症と皮膚筋炎の合併例

著者: 藤沢智美1 清島真理子1 伸健浩2

所属機関: 1大垣市民病院皮膚科 2大垣市民病院呼吸器科

ページ範囲:P.299 - P.302

文献概要

要約 43歳,女性.2003年1月,微熱,倦怠感,両手指の浮腫を自覚した.その2か月後,Raynaud症状,両手指から前腕の硬化,腫脹悪化,CK,KL-6の著明上昇,および胸部CTで間質性肺炎がみられた.全身性強皮症(SSc)と皮膚筋炎の合併と診断した.ステロイド全身投与により軽快し,症状は安定していた.2年後の2005年7月より下痢,嘔吐,9月には発熱,腹痛が出現した.破砕赤血球を認める溶血性貧血,血小板減少,急性腎不全,不穏症状,ADAMTS13活性低下により,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と診断した.血漿交換,透析を行い救命し得た.TTPは,膠原病では全身性エリテマトーデスとSScの合併が多いが,SScと皮膚筋炎合併例での報告は稀である.TTPは治療開始が遅れると致死的であり,ADAMTS13活性測定を含めた早期の診断が必要である.

参考文献

1) 杉本恒明, 他(編):内科学, 第8版, 朝倉書店, p1904, 2005
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5) 植村正人:日血栓止血会誌18: 330, 2007
6) 齋藤嘉美, 他:臨血34: 68, 1993
7) 大野博文, 他:九州リウマチ24: 77, 2004
8) 後藤麻里子, 他:関東リウマチ35: 170, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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