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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

症例報告

限界線照射部位に発生した基底細胞癌と神経鞘腫

著者: 緒方真貴子1 杉田和成1 島内隆寿1 椛島健治1 戸倉新樹1

所属機関: 1産業医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.330 - P.332

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要約 73歳,男性.約40年前,足白癬で左足に限界線照射を3年間施行した.約20年前より,左第3~4趾間から足背にかけての黒褐色皮疹と,左第3趾の皮下結節を自覚していた.当科初診時,上記病変に加え,その周囲に多形皮膚萎縮を認めた.両病変とも全摘し,病理組織学的に検討し,黒褐色角化性局面は基底細胞癌,皮下結節は神経鞘腫と診断した.基底細胞癌の好発部位として趾間は稀な部位であり,多形皮膚萎縮を背景として出現していることより,限界線照射が原因であると考えた.神経鞘腫については,一般的に限界線誘発性腫瘍には属さないものの,基底細胞癌の近傍に同時期に発生しており,少なくとも限界線が誘因になったと考えた.

参考文献

1) 岡崎美知男, 他:西日皮膚44: 827, 1982
2) 岡崎美知男, 他:西日皮膚48: 693, 1986
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6) O'Malley S, et al: J Neurosurg86: 286, 1997
7) 岸 正宏, 他:西日皮膚32: 409, 1970
8) 旭 正一, 他:西日皮膚41: 5, 1979

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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