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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻5号

2008年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 1. 最近話題の皮膚疾患

複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome)の皮膚症状

著者: 荒木絵里1 西川深雪1 谷岡未樹1 宮地良樹1 宇谷厚志1

所属機関: 1京都大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.8 - P.12

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要約 複合性局所疼痛症候群(CRPS)は外傷などを契機に主に四肢に発症する,進行性の慢性疼痛性疾患である.進行すれば耐えがたい痛みに加え,不可逆的な廃用障害が起こり,ADL (activity of daily living)の低下を招く.CRPS発症の予測は困難であり,皮膚生検や静脈採血程度の侵襲も誘因となりうる.発症後は可能な限り早期に治療を開始することが重要とされている.われわれは,強皮症様の皮膚変化を呈した症例,および進行性の斑状の皮膚萎縮を主訴に受診してCRPSと診断された症例を経験した.CRPSは浮腫,皮膚色・皮膚温・発汗の異常,皮膚・毛・爪の萎縮など多様な皮膚所見を呈するため,これらが診断の契機となる場合がある.したがって,皮膚科医も診断のポイントを熟知し,CRPSの疑いのある症例については迅速に麻酔科・ペインクリニックへのコンサルトを行うべきである.

参考文献

1) 住谷昌彦, 他:ペインクリニック28: 399, 2007
2) Birklein F: J Neurol252: 131, 2005
3) Doro C, et al: Clin Occup Environ Med5: 445, 2006
4) Meleki J, et al: Pain88: 259, 2000
5) Sundaram S, et al: JAAD44: 6, 2001
6) Webster GF, et al: JAAD28: 29, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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