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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻5号

2008年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 1. 最近話題の皮膚疾患

タクロリムス軟膏による酒皶様皮膚炎

著者: 入澤亮吉1 藤原尚子1 坪井良治1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.13 - P.16

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要約 近年,タクロリムス軟膏による酒皶様皮膚炎の報告が相次いでいる.特に長期連用患者に多く発症し,臨床症状はステロイドによる酒皶様皮膚炎と酷似する.組織学的には毛包周囲の炎症性細胞の浸潤,類上皮細胞肉芽腫およびその周囲の毛細血管拡張を示し,ステロイドによるものと異なり表皮の萎縮を伴っていなかった.長期連用に伴う局所免疫能の低下に起因する毛包内での微生物叢の変化が一因と思われた.一般に酒皶様皮膚炎はステロイドを顔面に使用することにより生じる医原病と定義されるが,タクロリムス軟膏によっても同様症状が惹起されることから,定義に若干の変更が必要と考えられた.

参考文献

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2) 江藤隆史:Visual Dermatology3: 808, 2004
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4) 杉浦久嗣:最新皮膚科学大系17, 中山書店, p144, 2002
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9) Fouad ES, et al: J Am Acad Dermatol54: 548, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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