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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 1. 最近話題の皮膚疾患
類天疱瘡の最近の話題―抗p200類天疱瘡と抗ラミニン332粘膜類天疱瘡
著者: 橋本隆1
所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.17 - P.21
文献購入ページに移動要約 最近,類天疱瘡に類似する疾患概念として,抗p200類天疱瘡と抗ラミニン332(ラミニン5,エピリグリンとも呼ばれる)粘膜類天疱瘡が知られるようになった.抗p200類天疱瘡は,主に,尋常性乾癬に水疱を示す症例や小水疱型類天疱瘡の臨床症状をとる症例にみられる新しい型の自己免疫性水疱症である.真皮抽出液を用いた免疫ブロット法で200 kDa抗原と反応するが,この抗原の性質はいまだ明らかとなっていない.
抗ラミニン332粘膜類天疱瘡は口腔内や眼の粘膜の水疱・びらん性病変を示し,喉頭病変も高率にみられる.失明に至ったり,呼吸困難をきたす症例もある.血中にIgG抗表皮基底膜部抗体を示し,この抗体は免疫沈降法や免疫ブロット法による検索で,ラミニン332のα3,β3,γ2の各種のサブユニットに反応する.最近,胃癌をはじめとする各種の内臓癌を高率に合併することが知られるようになった.
抗ラミニン332粘膜類天疱瘡は口腔内や眼の粘膜の水疱・びらん性病変を示し,喉頭病変も高率にみられる.失明に至ったり,呼吸困難をきたす症例もある.血中にIgG抗表皮基底膜部抗体を示し,この抗体は免疫沈降法や免疫ブロット法による検索で,ラミニン332のα3,β3,γ2の各種のサブユニットに反応する.最近,胃癌をはじめとする各種の内臓癌を高率に合併することが知られるようになった.
参考文献
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