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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 2. 皮膚疾患の病態
線維芽細胞の機能は皮膚の部位により異なる―創傷治癒の観点より
著者: 高橋健造1 安田正人2 石川治2 宮地良樹1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学 2群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学
ページ範囲:P.51 - P.56
文献購入ページに移動われわれは,この真皮線維芽細胞の部位特異的な形質を明らかにするため,主に軀幹・掌蹠・口腔粘膜の線維芽細胞が発現する細胞外基質および接着因子の遺伝子発現,ならびに増殖能を比較検討した.その結果,軀幹由来の線維芽細胞では,フィブロネクチンやインテグリンα5β1,carcinoembryonic antigen-related cell adhesion molecule (CEACAM)-5が特異的に発現するなど,部位による線維芽細胞の生化学的な違いが明らかとなった.さらに口腔粘膜に由来する線維芽細胞の高いbFGFへの感受性も明らかとなり,それぞれの部位での創傷治癒に対する反応性の違いも示唆される結果を得た.
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