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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻5号

2008年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 3. 新しい検査法と診断法

基底細胞癌の高周波エコー所見

著者: 宇原久1 林宏一1 古賀弘志1 斎田俊明1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.76 - P.79

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要約 基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)の約半数の症例には,高周波(30または15MHz)エコーで多数の高輝度斑が認められる.この所見は病理組織学的に病巣内の石灰化に起因するが,腫瘍胞巣内部の角化やアポトーシスあるいは壊死に陥った腫瘍細胞の集塊も関係している可能性がある.特に石灰化を反映する多発性の綿花状高輝度斑はBCCに特徴的な所見であり,悪性黒色腫(malignant melanoma:MM)には認められない.ただし,多発性の高輝度斑はtrichoepithelioma(trichoblastoma)にも認められるため,石灰化を伴いやすい毛包系腫瘍とは鑑別できない.

参考文献

1) Harland CC, et al: Br J Dermatol128: 525, 1993
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4) 林 宏一, 他:Visual Dermatol3: 922, 2004
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8) Bettencourt MS, et al: J Cutan Pathol26: 398, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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