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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 4. 皮膚疾患治療のポイント
乾癬の光線療法と外用療法のcombination therapy―安全に対する新たな見解
著者: 森田明理1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学
ページ範囲:P.88 - P.92
文献購入ページに移動要約 乾癬治療において,第一選択薬である外用ステロイド・ビタミンD3,第二選択薬である低用量シクロスポリン,光線療法(ナローバンドUVB・PUVAバス)を重症度や,皮疹,病型に従って治療すれば,寛解導入は比較的容易となった.このように多岐にわたる治療方法が可能となった現在,安全性に関しても十分な配慮をしなければならない.ビタミンD3外用薬は,ステロイド外用薬と違い,皮膚萎縮・毛細血管拡張・感染症の誘発などの副作用を認めず,寛解期間は長いというメリットがあるが,副作用として局所の刺激感,高カルシウム血症があり,特に高カルシウム血症のリスク因子は十分に理解する必要がある.光線療法を含め,新たにビタミンD3との併用療法を始める際には,高カルシウム血症に注意する必要がある.名古屋市立大学医学部附属病院での解析を含め,安全性が高く,効果の得られる乾癬治療の提案をしたい.
参考文献
1) Shintani Y, et al: Photodermatol Photoimmunol Photomed24: 32, 2008
2) 森田明理:日皮会誌116: 1899, 2006
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