文献詳細
文献概要
特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 4. 皮膚疾患治療のポイント
ナローバンドUVBによる白斑治療
著者: 菊池かな子1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科皮膚科学
ページ範囲:P.106 - P.108
文献購入ページに移動要約 紫外線治療は難治性皮膚疾患に以前から用いられており,PUVA療法が40年近くの歴史とその効果から現在でも世界中で汎用されている.ナローバンドUVB (NB-UVB)は中波長紫外線領域に含まれる非常に幅の狭い波長(311±2nm)の紫外線で,PUVA治療と比較し,生活制限が少なく,照射プロトコールも容易なため,急速に世界中で普及しつつある.当初は乾癬をターゲットとしていたが,尋常性白斑でも有効性が確立されつつある.東京大学皮膚科学教室では2002年より尋常性白斑についてNB-UVB療法を開始しており,その有効性を確認している.Njooらは特に広範囲の尋常性白斑ではNB-UVBが第一選択治療であることを提唱している.ごく最近,イギリスのYonesらはランダム化した二重盲検試験でPUVAを対照として,尋常性白斑に対してNB-UVBが有意に有効であったと報告している.Manらによる長期観察で,紫外線が関与するとする悪性黒色腫,有棘細胞癌の発生率の増加は認められなかった.
参考文献
1) Njoo MD, et al: Arch Dermatol135: 1514, 1999
2) Yones SSDD, et al: Arch Dermatol143: 578, 2007
3) Sitek JC, et al: J Eur Acad Dermatol Venereol21: 891, 2007
4) Nicolaidou E, et al: J Am Acad Dermatol56: 274, 2007
5) Man I, et al: Br J Dermatol152: 755, 2005
6) Kikuchi K, et al: Clin Exp Dermatol32: 107, 2006
掲載誌情報