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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻5号

2008年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008 4. 皮膚疾患治療のポイント

円形脱毛症のステロイドパルス療法

著者: 乾重樹1 中島武之1 板見智1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学(アデランス)寄附講座

ページ範囲:P.109 - P.112

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要約 1999年8月から2006年6月にステロイドパルス療法を行った重症型円形脱毛症139例を解析した.改善度を著効(脱毛面積の75%以上で硬毛発毛),有効(同50%以上),無効(同50%未満)とすると,全体で著効率47.5%,有効率59.0%であった.発症から6か月以上経過した症例では著効率15.8%,有効率31.6%であったが,6か月以内の治療例では著効率59.4%,有効率69.3%で早期治療の重要性が示唆された.6か月以内の治療例の著効率は,治療時の脱毛面積が50%未満では88.0%ときわめて有効であったのに対して,6か月以上の経過例での著効率はそれぞれ15.4%で有意差が認められた.以上より,発症から6か月以内で,かつ脱毛面積が50%以下の段階での治療開始が最も推奨される.

参考文献

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9) Olsen EA, et al: J Am Acad Dermatol51: 440, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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