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Derm.2008
皮膚科の疾患はわかりにくい?
著者: 河内繁雄1
所属機関: 1信州大学医学部皮膚科
ページ範囲:P.21 - P.21
文献購入ページに移動 「皮膚科の疾患はわかりにくい」「難しい漢字が多すぎる」「病名を聞いてもイメージがわかない」.いずれも医学部学生諸君の感想である.確かに若い頃の自分を思い返してみても,同じような感想を抱いていた.「尋常性疣贅」「扁平苔癬」「菌状息肉症」確かに字面をみてもイメージはわきにくいし,尋常性などという言葉はいかにも古めかしい.先輩医師に聞いたところによると,古い時代の皮膚科の大御所には文人も多く,漢文や漢詩に造詣の深い先達がドイツ語を翻訳した際に,こういった難しい漢字を当てたためだという.皮膚科用語の意味や語源を探ることは愉しみの一つではあるが,現代の若者には,いささか時代がかったイメージは払拭しきれないのかもしれない.
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