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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻6号

2008年05月発行

文献概要

症例報告

ナローバンドUVB療法が奏効した急性痘瘡状苔癬状粃糠疹の1例

著者: 古北一泰1 久保宜明1 飛田泰斗史1 滝脇弘嗣1 荒瀬誠治1

所属機関: 1徳島大学大学院感覚運動系病態医学講座皮膚科学

ページ範囲:P.366 - P.369

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要約 20歳,男性.18歳時より,掻痒の強い紅褐色の丘疹が背部に出現し,約3か月間で全身に拡大した.近医で急性痘瘡状苔癬状粃糠疹と診断され,1年間ジアミノジフェニルスルホン(DDS)とステロイド内服で加療されたが皮疹は軽快しなかった.20歳時よりナローバンドUVB照射療法を併用したところ,皮疹は速やかに改善した.その後も2~3週に1回の維持照射で,DDS,ステロイド内服中止後も皮疹の再発はない.本疾患においてナローバンドUVB照射療法は有効である可能性が示唆された.なお,皮疹消退後の斑状皮膚萎縮症様の瘢痕は現在も残存したままである.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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